【第二十二話】ゲームオーバー

「ヴォーカル、替えるか?」

プロデューサーの口から、

ついにその一言が!

 

僕と、もう一人のギター鏡影くんは

何も言い返せなかった。

 

一体、どうしてこのようなことに

なってしまったのであろうか?

 

ここ二か月間、

WALPURGIS のレコーディングがストップ、

制作中のフルアルバムが未完の状態となっていたからである…

 

別れと再会

曲は着実にレコーディングされていました。

しかも僕たちの希望通りのサウンドに仕上げてくれてます。

 

しかし、

いつまでたってもヴォーカルの録音が行われないのです。

 

事務所へ行くたびに僕が説教を受けました。

 

「オケがどんどん出来上がってきてるけど」

「ヴォーカルはいつ録音しに来るの?」

 

僕はとってつけたような言い訳、

「忙しいみたいでなかなか時間が合わなくて…」

と毎回言ってたのを覚えています。

 

そんな状況で、

時間は過ぎ去っていきました。

 

そして、

ある夜のことです。

 

ヴォーカルの緋咲くんから電話が…

 

「かんちゃん、オレもう無理かもしれへんわ…」

 

バンドを一緒に組んだ時から

一度も弱音を吐いたことのない彼の

深刻な口調。

 

理由は色々あるみたいでしたが、

僕に解決できる内容ではありません。

 

僕にはどうすることも出来ない…!?

 

おそらく、無理だろう。

もうすぐ、WALPURGIS は終わるだろう。

(*´-д-)フゥ-3

 

後日、事務所へ行き、

僕はプロデューサーの丸尾さんに言いました。

 

「ヴォーカルを替えるくらいならバンドを解散させます!」

 

というわけで、

WALPURGIS は残されたライヴスケジュールを

こなして、解散へと向かっていくことに…

 

そのような状況の中、

ある日、僕のケイタイが鳴りました。

 

「うちの事務所のイベント出る?」

 

昔一緒にバンドを組んでいた

けんじ君でした!

 

彼はすでにリク(仮名)と名乗っており、

有名なインディーズ事務所に所属してました。

 

解散は決まってたけれど、僕たちは

そのイベントに参加することに…

 

場所は大阪梅田の某ライヴハウス。

 

非常に多くのお客さんで埋まっています!

出演バンド数も多く、

ひとバンドあたりの演奏時間は短かかったですが…

 

やりごたえのあるステージでした!

 

普段の僕たちのライヴに比べて、

お客さんの数がケタ違いでしたからw

 

そして…

何よりも驚いたのは対バンの人に

「あれ?かんちゃん?」

「久しぶりやなー!」

と声をかけられた時です。

 

僕とけんじ君がバンドを組んでいた頃の

あの当時のバンド仲間たちです!

 

お互い再会を喜びました。

 

思えば僕のバンド脱退送別会に

参加もしてくれた人たちです。

 

笑顔で別れて、笑顔で再会…

 

「別れ」は決して悪いことではなく、

「再会」という喜びもあるのですよね。

 

そして、

僕たちのバンドは解散にむけて、

進んでいきます…

 

あとがき

「ヴォーカルを替えるくらいならバンドを解散させます!」

に関しては、僕自身が冷静さを失って言ったわけではありませんでした。

ましてや、カッコつけて言った言葉でもないです。

 

この場合は、

たとえヴォーカルを替えたところで、

新ヴォーカルは自分が書いたわけでもない歌詞を歌うことになります。

 

僕にとってそれは、

色々な面で違和感があるように思えたのです。

 

あなたはどう感じますか?

 

しかも去ったヴォーカルにとっては

自分のいないバンドで、

自分が書いた歌詞を別の人間が歌う。

 

去る者、来る者、

どちらにとっても良い気分はしない?

 

正直言って、

今でも僕には難しいテーマです…(・・;)

 

最後に…

 

バンドを立て直すにも限界があります。

 

立て直しが困難な場合は、解散させて

一から新たにバンドを結成させたほうが早い場合も…

 

だから僕は早い段階で気持ちを切り替えて、

新たなるスタートを切るほうを選んだのですよね。

 

生きている限り、

何度でもチャレンジすればいいのです!

ペコリ(o_ _)o))

最後まで読んでいただき
ありがとうございました