【第十四話】緋咲くんとの出会い

 

地元の小さい楽器屋さんで貼り紙をして

僕はバンドメンバーを募集。

 

正直いって田舎です。

バンド人口も少ない上にジャンルは

ヴィジュアル系ですから、

たぶん、ムリかも?

と僕は思いました。

 

でも、募集しないことには始まらないし…

 

そして、数日後

僕のケイタイが鳴ります!

 

彼の名は緋咲(ひざき)といいました。

ヴォーカルです。

 

新バンド結成へ

初めて会った時のことは昨日のことのように覚えています。

 

僕は仕事帰りで作業着のまま、

待ち合わせ場所へ向かいました。

 

そこで待っていたのは…

緋咲くん。

 

スーツを身にまといサングラス、

クールな外見とは対照的な、

明るい笑顔で僕を迎えてくれました。

 

缶コーヒーを僕に差し出して

「初めまして」

「今日はありがとうございます!」

 

僕はこれまでのバンドメンバー募集で

このような人に会ったことはありません!

 

思いやりとか気づかいとか

そのようなものを感じました。

 

そして、初対面にも関わらず

本当に話しやすかった!

バンドの話に限らず、雑談も楽しみめました。

 

しかも、僕の実家の近所に住んでいることが

何よりも驚きました。

自転車で行ける距離ですw

 

緋咲くんは言いました。

「オレこの前、バンド辞めて、髪の毛バッサリと切ってきたけど…」

「そしたら、君のバンド募集の張り紙見て、電話したw」

「もし一緒に組むのなら、これがオレの最後のバンドにしたいと思う」

 

そんな彼の言葉が僕の心に突き刺さるのでした。

 

緋咲くんの前のバンドの音源も聴かせてもらったのですが、

魅力的な声です。

 

そういうわけで、一緒にバンドを組むことに…

 

僕に迷いはありませんでした。

 

なぜなら僕はすでに、

バンド名とバンドコンセプト(音楽性)を用意していましたから。

そして、

彼は僕の音楽性と方向性に共感を示してくれたのです!

 

しかも…

彼の人脈においてはすさまじかったです。

 

バンド結成に向けて、バンド仲間である人を

次から次へと紹介してくれるのですよね。

 

そして…

ドラムが決まります、

ベースが決まります、

そしてさらにもう一人のギターも。

とんとん拍子でバンドメンバーがそろったのです!

 

その五人編成の新バンドは、

活動開始に向けて着実に準備を進めていくことになりました。

 

あとがき

「運」という言葉があります。

 

ダメ元で募集をしたら、たまたま

タイミングよく僕の貼り紙を見つけてくれた。

しかも僕の音楽性に共感してくれて一緒にバンドを…

 

僕は運が良かった?

 

違います。

 

一緒に組めたのは偶然ではなく、

必然でした。

 

これまでに多くの人たちに育てられて、

成長した僕がそこにいたからです。

 

もし僕がバンド活動駆け出しの頃に

緋咲くんに出会っていたとしたら?

 

おそらく、相手にされていなかったでしょう。

なぜなら、緋咲くんのほうがバンドマンとしては

先輩でしたからね。

たとえ一緒に組んでも、

僕が足を引っ張っていたことでしょう。

 

出会うべき時に出会ったのです。

 

過去が現在の状況を作り、

そして未来へ向かっていく…

 

もしも「運」があるとすれば、

「今」を一所懸命に生きることが

運を味方につける第一歩だと思います。

ペコリ(o_ _)o))

最後まで読んでいただき
ありがとうございました